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残クレ住宅ローンは本当に得か?不動産会社が「おすすめしない」と結論づけた理由

  • 2025.12.10
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つい先日、日経デジタルからこんな記事が出ましたね。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA039BX0T01C25A2000000/

残クレって車だけだと思ってたら、不動産もあるんですね💦正直とても怖いです!

残クレ住宅ローンは本当に得なのか?
月々が安い仕組みの裏側、メリット・デメリットを不動産会社が徹底解説。
結論は「おすすめしない」。理由を論理的に説明します。

はじめに|「月々が安い住宅ローン」に違和感を覚えたあなたへ

最近よく目にする
「月々の返済を抑えてマイホームが持てる」
という言葉。

その正体が
**残価設定型住宅ローン(残クレ)**です。

最初に結論を言います。

結論:私は残クレ住宅ローンをおすすめしません。

ただし、
感情論でも、業界批判でもありません。

この記事では

  • 残クレ住宅ローンの仕組み
  • メリット・デメリットをすべて提示
  • そのうえで「なぜおすすめしないのか」

を、不動産会社の立場から冷静に書きます。

残クレ住宅ローンとは何か?【仕組みを3分で理解】

【画像②:通常ローンと残クレの比較図】

残クレ住宅ローンとは、

将来の住宅価値(残価)をあらかじめ差し引いて借りる住宅ローン
のことです。

具体例

  • 住宅価格:4,000万円
  • 想定残価:1,200万円
  • 実質ローン:2,800万円

その結果、
月々の返済額は確かに安くなります。

ここだけ見れば、魅力的です。

なぜ今「残クレ住宅ローン」が広がろうとしているのか

理由は明確です。

・住宅価格の高騰
・建築費の上昇
・金利上昇
・若年層の住宅取得難
・共働き前提の家計構造

「普通に住宅ローンを組むと家が買えない」
という層が増えました。

そこで登場したのが
“買いやすく見せる仕組み”としての残クレです。

残クレ住宅ローンのメリット

ここからはフェアに整理します。

メリット① 月々の返済額が抑えられる

これは事実です。

  • 毎月数万円単位で差が出るケースもある
  • 子育て世代には魅力的

短期的な家計は楽になります。

メリット② ワンランク上の住宅を選べる

  • 立地
  • 広さ
  • 設備

本来なら予算オーバーの住宅が
選択肢に入ることもあります。

メリット③ 住み替え前提なら理屈は成立する

  • 転勤がほぼ確定
  • 10〜15年で売却予定
  • ライフプランが明確

この条件が揃えば
理論上は成立します。

ここからが重要|残クレ住宅ローンのデメリット

デメリット① 残価は「保証」ではない

最大の落とし穴です。

  • 人口減少
  • 地域価値の低下
  • 災害
  • 建物の劣化

想定価格で売れなければ
差額は自己負担です。

住宅は
将来価値を正確に読めません。

デメリット② 借金を未来に先送りしているだけ

月々が安い=総額が安い
ではありません。

  • 最終的に大きな残債
  • 金利負担は残る

これは
負担の先送りです。

デメリット③ 通常住宅ローンより金利が高い

まぁ、当たり前ですよね。
金融機関がリスクを負っている分、金利は通常より高くなります。

結果、
総額借入額が減っても、高金利がもったいない。

デメリット④ 人生の変化に極端に弱い

  • 離婚
  • 収入減
  • 親の介護
  • 転職

残クレは
「売る前提」「住み替え前提」

どちらにも縛られます。

デメリット⑤ 家が“安心の場所”でなくなる

これは見落とされがちです。

  • 常に出口を考える生活
  • 売却価格への不安
  • 心理的ストレス

家が
負債に感じ始める瞬間です。

ここまで読んでいるあなたへ

ここまで読んでいる方は、
おそらく 「なんとなく不安」 を感じているはずです。

その感覚は、正しいです。

不動産会社として見た「残クレ最大の問題」

問題は仕組みより
売り方にあります。

  • メリットだけ強調
  • デメリットは小さく
  • 月々の数字だけ提示

これは
判断材料が足りません。

【結論】私は残クレ住宅ローンをおすすめしません

結論:私は残クレ住宅ローンをおすすめしません。

理由は3つあります。

  1. 将来価値を読み切れない
  2. 人生の変化に弱い
  3. 家計の自由度を奪う

住宅は
金融商品ではなく、人生の基盤です。

では、どんな買い方が現実的か?

おすすめは、

  • 身の丈に合った価格
  • 売却しやすい立地
  • 無理のない返済
  • 中古+リノベという選択

「いい家」より
動ける人生を優先してください。

最後に|残クレを検討しているあなたへ

残クレを
全面否定するつもりはありません。

ただし、

  • 仕組みを理解しない
  • 月々安いだけで決断

これは絶対に避けてください。

家は
人生最大の買い物です。

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売るためではなく、後悔しないための相談を大切にしています。

無理な購入は勧めません。
気になる方は、いつでもご相談ください。

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Writer この記事を書いた人

柴山貴志

株式会社キータウン 代表取締役

「管理」という言葉に漠然と興味があり、2009年に業界へ転身。「賃貸仲介」「賃貸管理」「リノベーション」「売買仲介」「賃貸経営」「WEB戦略」「テナント誘致」「企業セミナー講師」「宅建講師」「不動産コンサル」「調停員登録」、不動産全般をこなす。

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