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まずは現場確認が重要!!
私たち不動産管理会社は日々、入居者様から様々な連絡やご要望をいただきます。
その中で、「害虫対応」も上位に入る内容になります。
電話やメールで連絡をいただきますが、正直、現場に行かないと対応できないです。
なので、とりあえずは現地に伺い、状況を把握して対策を検討します。
そこから、入居者の問題になるのか、所有者の問題になるのかを判断し、対応します。
この時は○○、このケースは○○といったように対応していると、対応ミスが発生しますので、まずは現場を確認することが重要です。
人によって「害虫」は異なる
まず初めに、害虫といっても、ひとそれぞれ、「害」の大きさが異なるかと思われます。
「1匹の蟻(アリ)」で例えると、赤ちゃんにとって、カブレの原因や生死にかかわる可能性大。
やんちゃな小学生にとっては楽しい遊び道具。
大人にとってはスルーするレベル。
気持ち悪いと思うのか、何も感じないのか。
主観的にみるのではなく俯瞰的に見ることが大切です。
よく相談される害虫が出たときの対応について
そもそもですが、害虫発生時に対応の方法としては、
- 入居者自らが対応する
- 管理会社が対応する
- 所有者が対応する
- 専門業者が対応する
と分けられます。
対応はできたとしても、そもそもその対応した費用は誰が支払うのか?というのが、気になるところになります。
害虫を列挙していけばキリがありませんが、不動産管理を10年以上従事していれば、ある程度パターン化してきます。
その中で上位4つの害虫の相談・クレームについてご紹介します。
害虫の種類別に、責任所在などを含めてお伝えしていきます。
1.蜂(ハチ)
皆さんも一度は見たことがある「ハチの巣」はごく自然に発生するものです。
マンションやアパートなら、ベランダ付近。一戸建てなら、軒先。
4月~6月頃になると、そのハチの巣をどうにかしてほしい、という連絡が多くなります。
費用負担:発生した場所によって異なります。
■専有スペース→入居者負担
ベランダや玄関に発生した蜂の巣は、入居者さんの費用負担。
↓専用スペースで害虫が出た時の対処方法はこちら
■共有スペース→所有者負担
マンションのエントランスなどに発生した蜂の巣は、所有者の費用負担。
ただし、「絶対」ではありません。
蜂によって通りかかった子供が刺され、亡くなった場合、誰に責任の所在があるかというと、状況により異なります。
それがスズメ蜂だった場合、大きな被害が想定できることかもしれません。
2.ムカデやゲジゲジ
1階にお住いの方からの、ご連絡が多いです。
特に古いアパートや一戸建て、また和室から発生するケースが多いです。
費用負担:発生した場所や量によって異なります。
■自然発生→入居者負担
ベランダや玄関に発生したムカデは、入居者さんの費用負担。
↓専用スペースで害虫が出た時の対処方法はこちら
■物件の構造に左右される→所有者負担
大量に発生したり、畳の下から上がってきたりする際は、物件の欠陥が考えられます。
ケースバイケースになりますが、所有者の費用負担になるケースが多いです。
ムカデやゲジゲジはハチ同様、アナフィラキシーショックを起こすことがあるので、注意が必要です。
対応が遅れると、入居者様の不安が大きくなるので、まずは現場を確認しましょう。
3:蟻(アリ)
正直、一番厄介かもしれません。発生時期は6〜11月頃が多いです。
巣を作り、女王アリ・働きアリ・兵アリに別れて行動します。
駆除するためには、発生源を特定しなければいけませんが、あらゆるところから発生するため、対応が非常に難しいです。
費用負担:居住期間や発生場所によって異なります。
■入居後3カ月以上(目安)→入居者負担
入居当時は発生していなかったアリが、期間が経過するとアリが発生した、というケースは、何かしら入居者さんのゴミや生活の中でアリが好むような部屋になった可能性が高いです。
黒アリと羽アリの場合にもよりますが、まずは、駆除するための道具を使ってみることをお勧めします。
↓専用スペースで害虫が出た時の対処方法はこちら
■入居して間もない&配管や住宅設備からの発生→所有者負担
入居者さんに過失がない可能性が高いので、まずは所有者が費用負担するケースが多いです。
また、住宅の配管や設備から発生したアリは、入居者さんはどうすることもできないため、所有者さんが費用負担するしかありません
4:ゴキブリ
この害虫は見つけたら、やっつけるしかないです。
ほおっておくと、繁殖し続けるので、早期の対応が求められます。
費用負担:基本は、入居者さんが対応
■自然発生→入居者負担
ベランダや玄関に発生したゴキブリは、入居者さんの費用負担。
↓専用スペースで害虫が出た時の対処方法はこちら
■近隣の住宅を解体したことによって大量発生→所有者負担
極稀に、ゴキブリの大量引っ越しがあります。
お隣で住み続けていたゴキブリが、解体によって住処が無くなり、近くの家に引っ越し、というケースが何回かありました。
しかしそのケースも一度は所有者が費用負担することもありますが、実際、ゴキブリが引っ越ししたことを証明することは難しいので、入居者さんが費用負担するケースがほとんどです。
管理会社側でできること
私たち不動産管理会社ができることは、まずは現場確認を行い、責任の所在が誰にあるかを判断することです。
貸主は、民法上『賃借人に使用および収益させる義務』というものがあり、害虫の発生や侵入が原因で、入居者が本来の住宅として使用することができなければ、賃料を支払ってくれません。
もちろん、契約上は賃料の遅延行為なので、請求し続けることができますが、裁判になった場合は別です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
害虫によるトラブルは、増えているように感じます。
トラブルを改善し、双方が納得できれば、快適な生活を継続することができます。
これは、不動産管理会社の判断スキルが求められますので、知識と経験がものをいう仕事になります。
間違った判断をしないよう、日々勉強する必要がありますね。