今回はその内容をまとめています。
目次
相続診断士とは?
オーナーさんが相続にかかる税金とはどんなものか?
かかった税金に対してどうやって圧縮するかを提案することができる仕事
何を事前に贈与、生命保険、など、資産の分散をして、節税にいかにつなげるかという仕事ですね。
不動産で一番悩みどころ、お金がかかるのが相続!
相続って税理士しか出来ないんじゃないの?
よく聞かれることですが、相続税を算出するのは税理士しかできません。
相続診断士は、それまでの手法を提案することが可能です。
試験に出てくる内容
積極財産
現金、預貯金、有価証券、土地、家屋など(プラスの財産)
消極財産
借金などの債務(マイナスの財産)
積極財産
現金、預貯金、有価証券、土地、家屋など(プラスの財産)
消極財産
借金などの債務(マイナスの財産)
一身専属に属していたもの
権利義務mの性質上、被相続人のみに帰属すべきものを意味する。例えば、扶養請求権者の地位や生活保護給付の受給権者の地位等である。
相続開始の場所
被相続人の住所において開始する
被相続人と離婚した先妻は、配偶者ではないため、相続人とはならないが、先妻との間の子(嫡出子)は相続人となる。
普通養子縁組は、縁組の届け出をすることによって成立する。
?養子には、普通養子と特別養子がある。普通養子は縁組した養親の摘出子となるが、実親との親族関係は存続する。特別養子は、養父母の摘出子となり、実親との親族関係は終了する。
胎児
相続については既に生まれたものとみなされている、相続人となる。(もっとも胎児が死体で生まれた場合は、相続人とならない。
相続順位
配偶者相続人・・常に相続人になる→配偶者
血族相続人・・第1順位→子 第2順位→直系尊属 第3順位→兄弟姉妹
(子と直系尊属、子と兄弟姉妹、直系尊属と兄弟姉妹が相続人となる組合せはない)
相続欠格
被相続人の意思にかかわらず、相続人の相続権が失われるものである。
相続排除
被相続人からの家庭裁判所の請求により、相続人の相続権を失わせるものである。
推定相続人
相続が開始した場合に相続人となるべきものを言う
遺言執行者
遺言の内容を実現する為に、飛鳥な行為や手続きをするをいう。遺言執行者は相続人の代理人として、相続開始後に財産目録の作成、預貯金や不動産の名義変更手続きなど遺言の執行に必要な一切の行為とする検眼がある。
代襲相続
相続人となるべき者が相続開始時に、次の原因によって相続権を失う場合に、その者の子がその者の代わりに相続人になることをいう
・被相続人以前に死亡
・相続欠格
・相続廃除
なお、相続の放棄をした者は、代理相続は生じない
代襲相続できる者
被相続人の子、兄弟姉妹
①子
子の代襲相続は被相続人の孫、ひ孫に無制限に引き継がれる
②兄弟姉妹
その者に限り生じる。(被相続人の甥や姪までしか認められていない)
③配偶者、直系尊属
代襲相続は認められていない
?もし、「相続廃除」された人に子供がいて、その相続排除が子供が生まれる以前に家裁に請求していた場合、それでも代襲相続が発生するのですか?
⑴特別な縁故にあった者
内縁の夫妻・親子などをいう
そして、これらの者は、家庭裁判所に、被相続人の財産の全部または一部の分与の請求をすることができる。この請求が認められた場合、特別縁故者として、被相続人の財産から分与される(民法958条の3)
⑵他の共有者への帰属
例えば、ABが共有する不動産につき、Aが死亡し、特別縁故者へ財産分与がなされなかった場合、Aの持ち分はBに帰属することになる。
⑶上記⑴、⑵に該当しないものは、国庫に帰属する
指定相続分
法廷相続分と異なる定め分おするものであり、遺言がその例である。
遺留分
兄弟姉妹以外の相続人に留保された相続財産の一定の割合のことをいう。
遺言によっても遺留分を侵害することはできない。
離婚しても先妻との間の子は、相続人となる。なお先妻との子は摘出子である。
平成13年7月1日以降に開始した創造については、既に遺産分割が終了しているなど確定的なものとなった法律関係を除いては、嫡出子と非嫡出子出ない子の相続人が同等のものをして扱われる(平成25年9月4日最高裁決定参照)
平成25年9月5日以降に発生した相続・・嫡出子と非嫡出子の相続分は同等となる
上記以前に発生した相続・・嫡出子と非嫡出子の相続分は2:1となる
半血兄弟の相続分は、全血兄弟の1/2となる(民法900条4号)
特別受益
共同相続人中に、被相続人から遺贈を受け、また婚姻、若しくは養子縁組のため、若しくは生計の資本として贈与を受けた者(特別受益者)があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額に、そんも贈与の価額(特別受益の額)を加えたものを相続財産とみなし、法定相続分、または指定相続分の規定によって算出した相続分の
中から、その遺贈または贈与の価額を控除した残額をもって、その相続分とする(民法903条)
計算方法
相続財産=「被相続人が相続開始の時において有した財産の価額」+「特別受益の額」
相続分=「相続財産のを元に算出した法定相続分」-「特別受益の額」
計算例
Aが亡くなり、妻B、長男C、二男Dが相続することになりました。遺産は3000万円。Bは500万円の遺贈を、Cは住宅資金として1000万円の贈与を受けていた場合・・・
妻B:(3000 + 1000)×1/2 – 500=1500万円
(ほかに500万円の遺贈)
長男C:(3000 + 1000)×1/2×1/2 – 1000 = 0万円
二男D:(3000 + 1000)×1/2×1/2=1000万円
寄与分
共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から、共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、法定相続分、または、指定相続分の規定により算定した相続分を加えた額をもって、その相続分とする(民法904条の2)
計算方法
相続財産=「被相続人が相続開始の時において有した財産の価額」ー「寄与分」
相続分=「相続財産のを元に算出した法定相続分」ー「寄与分」
寄与分が認められる
1.被相続人の事業に大きく貢献してその財産を増加させた
2.被相続人の財産の維持に努めてきた
3.被相続人介護援助を長年続けた
計算例
自転車屋を営むAが死亡し、その遺産が3000万円であったとします。相続人は妻Bと長男C、二男Dの3人で、このうち長男CはAとともに家業に専念してきた。そして、その寄与分を協議により1000万円に相当するとした場合・・・
妻B :(3000 – 1000)×1/2=1000万円
長男C:(3000 – 1000)×1/2×1/2 + 1000=1500万円
二男D:(3000 – 1000)×1/2×1/2=500万円
⑴単純承認
相続人が、単純承認したときは、無限に被相続人のkじぇんりぎむを承継する(民法920条)
単純承認したものとみなす場合
・相続人が、相続財産の全部または一部を処分したとき
(例)相続人が相続財産を売却したり、故意に損壊したりする行為
・相続人が、相続の開始があったことかを知った時から3ヶ月以内に、限定承認または相続放棄をしなかったとき
⑵限定承認
相続人が、限定承認したときは、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務および弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる(民法922条)
限定承認をしようとする者は、相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に申述しなければならない(民法915条)
相続人が数人あるときは、限定承認は共同相続人の全員が共同して、のみ、これをすることができる(民法923条)
⑶相続放棄
相続人が相続放棄したときは、被相続人の積極財産も消極財産も一切承継しない。
①相続放棄の要件
創造放棄は限定承認を異なり各相続人が単独でできるが、相続放棄をしようとする者は、相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に申述しなければならない(民法915条)
②相続放棄の効力
相続放棄をした者は、その相続に関して初めから相続人でなかったものとみなされる(民法939条)
遺産分割
⑴指定分割と協議分割
①指定分割
被相続人が遺言で分割方法を定めることをいい、相続人はそれに従う必要がある。また遺言による分割指定をする場合、相続開始後5年以内であれば分割を禁止することも認められる
②協議分割
共同相続人全員の協議によって分割する方法をいい、被相続人の遺言による指定がない場合はこの方法によることになる。ただし、遺言が存在する場合であっても、共同相続人全員の協議によって遺言と異なる合意が成立したときには、協議分割が優先される(民法907条1項)。このように、共同相続人全員の合意があれば遺産分割の内容な自由であり、法定相続分や遺言による指定どおりに遺産を分割しなくてもよい。
⑵調停・審判による分割
①調停分割
家庭裁判所において裁判官と共に協定委員2名が当事者に加わり、話し合いによって意見調整を図り遺産分割を成立させる方法である。遺産分割協議に調わない場合、いきなり審判を申し立てるのではなく、まずは調停を申し立てるのが原則である(民法907条2項)
②審判分割
調停が不成立になった場合
⑶遺産分割協議
共同相続人は遺言による遺産分割方法の指定または指定の委託がない場合、いつでも協議で遺産を分割することができる(民法907条1項)
①遺産分割協議の成立要件
共同相続人全員の参加合意が必要である。一部の相続にを除外してなされた協議は、還俗として無効であり、除外した相続人はほかの相続人に対して再分割を請求することができる。
②遺産分割協議の遡及性
効力は、相続開始の時に遡って生じる(民法909条)
③遺産分割協議書
④遺産分割協議のやり直し
民法では、一度有効に成立した遺産分割協議でも、共同相続人全員の合意があれば遺産分割をやり直すことができる。
⑷遺産分割の具体的方法
①現物分割
②換価分割
③代償分割
(例)
被相続人 死亡
相続人A 妻B、長男C、次男D
被相続人Aの財産が2,000万円の土地と建物のみだった場合、その土地と建物を配偶者Bが相続する代わりに、配偶者Bは自身の財産からCとDに各500万円を支払う。
第3章 相続法(遺言)
遺言ができる者:15歳以上で意思能力があれば誰でも作成できる(民法961条)
被保佐人・保佐人
判断能力が著しく不十分な者で家庭裁判所の審判を受けた者をいう。
保佐人は、その保護者をいう。
被補助人・補助人
判断能力が不十分な者で家庭裁判所の審判を受けた者をいう。
補助人は、その保護者をいう。
公証人
当事者その他の関係人の嘱託により「公証」をする国家機関をいう。公証人は、裁判官、検察官、弁護士、あるいは法務局長や司法書士など、長年法務関係の仕事をしていた者の中から法務大臣が任命をする。
遺言の証人となることができない者
1未成年者
2推定相続人及び受遺者ならびにこれらの配偶者および直系血族
3公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人
①自筆遺言証書
要件
※遺言者が、遺言書の全文・日付・指名を自書し、これに押印(認印、拇印可)することで成立する。
※なお、ワープロ・パソコン、テープ録音等の機器および代筆によって作られた遺言は法的効力がない
※様式は自由で、日付は、日にちまで特定できることが必要である。
特徴
秘密保持には適しているが(遺言そのものの存在も秘密にできる)、偽造・改ざんのおそれがある。
また、方式違反や文意不明・本人の筆跡か同課などといった効力が問題になる可能性が大きい
②公正証書遺言
要件
遺言者は、2人以上の承認を伴って公証役場へ行くか、または公証人の出張を認め、公証人の面前で遺言内容を口授する。公証人はこれは筆記し、遺言者および承認に読み聞かせるかまたは、閲覧させる。筆記の正確なことを承認した遺言者および証人が署名・押印することによって遺言が成立する。遺言者が署名することができない場合は、公証人はその事由を付記して、署名に代えることができる。
特徴
秘密保持については、少なくとも公証人および承認に遺言の内容を知られてしまう。しかし、原本は公証役場で保管されるので偽造・改ざんのおそれがない。
③秘密証書遺言
要件
内容を記載した証書に遺言者が署名・押印、封入・封印したうえで、甲初認および証人2人以上に封書を提出し、公証人が日付および遺言者の氏名、住所等を記載した後、遺言者および証人とともに署名、押印することにより成立する。
特徴
遺言の内容は秘密にできるが、遺言の存在を公証人や証人に知られてしまう。公証役場では保管してくれないため、遺言者側で相続開始まで保管方法を案が得る必要がある。また、偽造・改ざんのおそらはないが、滅失・隠匿・未発見のおそれがある。さらに、効力の問題では、封書された証書本文の解釈などをめぐり対立が生ずる可能性もある。
④臨終遺言
⑤隔絶地遺言
遺言書の検認
公正証書遺言以外のすべての遺言については、家庭裁判所での遺言書の検認が必要である。
遺言できる事項
①遺言でのみ指定できる事項
・相続分の指定
・遺産分割方法の指定
・遺産分割の禁止(死亡最長5年間有効)
・遺留分減殺方法の指定
・遺言執行者の指定
・未成年後見人・未成年後見人監督人の指定
・遺産分割における共同相続人間の担保責任の指定
②遺言及び生前行為のどちらでも指定できる事項
・遺贈(ただし生前行為の場合は贈与となる)
・財団法人の設立
・子の認知
・推定相続人の廃除・廃除の取消
※相続診断士が、遺言執行者に就任することは可能である
遺贈
①特定遺贈
遺贈される財産が特定されている遺贈である
②包括遺贈
包括遺贈の受遺者は、相続人おと同意ちゅの権利義務を持つことになる
遺留分
①遺留分権利者
配偶者、子(子の代襲相続を含む)、直系尊属となる【兄弟姉妹には遺留分は認められていない】
②遺留分の割合
直系尊属のみが相続人・・・被相続人の財産の1/3
それ以外の者が相続人・・・被相続人の財産の1/2
③遺留分の放棄
相続開始前にも、放棄することができる。ただし、相続開始前の遺留分放棄には家庭裁判所の許可が必要になる。また、遺留分を有している共同相続人のうちの一人が遺留分を放棄しても、他の共同相続人の遺留分がその分増えるということはない(民法1043条)
④遺留分減殺請求権
⑴遺留分を侵害する遺贈
⑵遺留分減殺請求の消滅時効
遺留分権利者が相続の開始および遺留分の侵害を知った時から1年以内に行使しないと時効によって消滅する。また、相続開始の時から10年を経過した時も同様に消滅する(民法1042条)
第4章 成年後見制度
①法定後見
民法13条1項
1元本を徴収し、または利用すること
2借財または保証をすること
3不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること
4訴訟行為をすること
5贈与、和解または仲裁合意をすること
6相続の証人若しくは放棄または遺産の分割をすること
7贈与の申込を拒絶し、遺贈を放棄し、負担付遺贈を承認すること
8新築、改築、増築、または大規模をすること
9土地5年、建物3年を超える賃貸借をすること
②任意後見制度
要件
必ず公正証書によってい行わなければならない。「契約の効力は、家庭裁判所によって任意後見監督人が専任された時から生じる」旨の特約を付す必要がある。
第5章 相続税
1相続税の概要
遺産に係わる基礎控除額の計算式
3000万円+600万円×法定相続人の数
2相続税の納税義務者
⑴無制限納税義務者
⑵制限納税義務者
⑶特定納税義務者
4相続税の計算の流れ(相続税法16条、17条)
①課税遺産相続=各相続人等の課税価格の合計額ー遺産に係る基礎控除額(遺産に係る基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数)
②各法定相続人の法定相続分に応じた取得金額=課税遺産総額×各法定相続人の法定相続分(課税遺産総額を法定相続分で仮分割する)
③各法定相続人の法定相続分におい宇治田相続額=各法定相続人の法定相続分に応じた取得金額×税率
④相続税の総額=各法定相続人の法定相続分に応じた相続税額の合計(③の合計額)
⑤各人の算出税額×各人の課税価格÷課税価格の合計額
⑥各人の納付税額=各人ごとの算出税額+2割加算ー税額控除
5相続税の課税価格の計算
相続または遺贈により取得した財産の価額(本来の相続財産)
+
相続または遺贈により取得したものとみなされた財産の価額(みなし相続財産)
ー
非課税財産の価額
+
(※相続時精算課税制度のそうよ財産の価額)
ー
債務および葬式費用の額(債務控除)
+
被相続人からの相続開始前3年以内の贈与財産の価額(生前贈与財産)
=
課税価格
⑴本来の相続財産
具体的財産は・・現金、預貯金、有価証券、債権、土地、家屋、専業(農業)用資産、家具、什器等の家庭用財産、貴金属・宝石・書画・骨董品、電話加入権等の一切の財産
⑵みなし財産
生命保険等、死亡退職金、功労金、○○金、個人年金等
①生命保険金等
(a)生命保険等の評価
(b)生命保険との課税価格の計算方法
ア)生命保険金の相続税非課税限度額の計算式
500万円×法定相続人の数
イ)すべての相続人が受け取った生命保険金等の合計額が非課税限度額以下の場合
その相続人の取得した生命保険金の全額
ウ)すべての相続人が受け取った生命保険金等の合計額が非課税限度額を超える場合
非課税限度額×その相続人が取得した生命保険金等の合計額÷すべての相続人が取得した生命保険金等の合計額
②死亡退職金等
(b)死亡退職金の課税価格の計算方法
ア)非課税限度額
500万円×法定相続人の数
イ)すべての相続人が受け取った死亡退職金等の合計額が非課税限度額以下の場合
その相続人の取得した死亡退職金等の全額
ウ)すべての相続人が受け取った死亡退職金等の合計額が非課税限度額を超える場合
非課税限度額×その相続人が取得した死亡退職金等の合計額÷すべての相続人が取得した死亡退職金等の合計額
エ)相続税の課税対象となる死亡退職金等の範囲
相続税が課税対象となるもの・・・死亡退職金、功労金で被相続人の死亡後3年以内に支給か確定したもの
相続税が課税対象とならないもの・・・死亡退職金、功労金で被相続人の死亡後3年経過後に支給が確定したもの(ただし、一時所得として所得税の課税対象となる)
③○○金の評価
次の金額までが相続税の対象とはならない
・業務上の死亡による場合:賞与を除く普通給与の3年分
・業務外の死亡による場合:賞与を除く普通給与の半年分積極財産
⑶非課税財産8相続税法12条)
①相続人が取得した生命保険金・死亡退職金等のうち、次の金額500万円×「法定相続人の数」
②祭祀財産である墓所、霊廟、仏壇、仏具
③公共事業を行う者が、相続や遺贈により取得した財産で、公共事業の用に供することが確実なもの(公共事業用財産)など
⑷債務および葬式費用(相続税法13条、14条)
「包括受遺者」遺産を全部または一定の割合で受けた者をいう
⑸生前贈与財産(相続税法19条)
相続開始前3年以内に贈与を受けた財産は生前贈与財産として、その価額が相続税の課税価格に加算される。
6遺産に係る基礎控除額(相続税法15条)
遺産に係る基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数
⑴相続法記者がいる場合の法定相続人の数え方
⑵養子がいる場合の法定相続人の数え方
①実子がいる場合・・普通養子は1人まで
②実子がいない場合・・普通養子は2人まで
※「民法上の特別養子縁組により養子となった者(特別養子)」「被相続人の配偶者の実子で、被相続人の養子となった者(いわゆる連れ子養子)」「代襲相続人で被相続人の養子となった者」は実子とみなされて、養子の数の制限は受けない。
7相続税額の2割加算(相続税法18条)
相続や遺贈によって財産を取得した者が、「配偶者」「一親等の血族(親・子)」「代襲相続人となる孫」以外の場合は、その者の相続税額の2割に相当する金額を加算する
8税額控除
⑴贈与税額控除
被相続人から生前に贈与された財産のうち、相続開始前3年以内のものがある場合に、相続や遺贈によって財産を取得した者は、その贈与財産にかかる贈与税額がその者の相続税額から控除される
⑵配偶者の税額軽減
①内容・・・配偶者の課税価格が「課税価格の合計額×法定相続分」までの場合は、配偶者には相続税が課税されない。まtあ、法定相続分に関係なく、配偶者の課税価格が1億6,000万円までの場合は、配偶者には相続税が課税されない。
②控除対象者・・・配偶者が相続を放棄した場合でも、その配偶者が遺贈により財産を取得した場合は適用される。
③適用条件・・・申告書の提出は税額が「0」でも必須
④配偶者の税額軽減額の計算
(a)相続税の総額×課税価格の合計額×配偶者の法定相続分(※1)÷課税価格の合計額
(b)相続税の総額×配偶者の課税価格÷課税価格の合計額
※1・・1億6,000万円に満たない場合は1億6,000万円
※2・・(a)か(b)の少ない額が軽減される
⑶未成年者控除
⑷障碍者控除
⑸相次相続控除
最初の相続と次の相続との間が10年以内である場合には、後の相続おける相続税額から前の相続における相続税の一部を控除することができる
⑹外国税額控除
9相続税の申告(相続税法27条、62条、所得税法124条、125条)
⑴申告者の提出義務者
⑵申告書の提出先
居住無制限納税義務者・特定納税義務者・・・その者の納税地の所轄税務署長
制限納税義務者・非居住無生前納税義務者・・・その者の定めた納税地の所轄税務署長
⑶申告書の提出期限
相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内である。
⑷所得税の純確定申告
相続人は相続の開始があったことを知った日の翌月から4ヵ月以内に諸島税の確定申告をしなければならない。
10相続税の納付
⑴納付期限
相続の開始があったことを知った日の翌月から10ヵ月以内にしなければならない。
⑵延納
①適用条件
(a)金銭で一括して納付することができない理由があること
(b)相続税額が10万円を超えること
(c)延納税額および利子税の額に相当する担保を提供すること
※延納税額が50万円未満で、かつ延納機関が3年以内の場合は不要となる
(d)相続税の申告期限までに延納申請書に一定書類を添付して提出し、税務署長の許可を得ること
②延納期間の利子税割合
③担保の種類
(a)国債、地方債
(b)社債その他の有価証券で税務署長が処分が容易で、化学の変動のおそれが少ないと認めるもの
(c)政務所長が確実と認める保証人の保証
(d)自動車、船舶、機械
④分納税額
⑤延納中の物納への変更要件
・申告期限から10年以内であること
・資力の変化等により延納による納付が困難になった場合であること
・延納税額からその納期限の到来した分納税額を控除した残額を限度とすること
⑶物納
①適用条件
(a)延納の適用を受けても金銭で納付することが困難であること(金銭による一括納付および延納によっても金銭で納付することが困難であること)
(b)金銭による延納を困難とする金額を限度とすること
(c)相続税に申告期限までに物納申請書を提出し、税務署長の許可を得ること
(d)物納に充てることができる財産があること
第6章 贈与税
1贈与の概要
⑴贈与の意味
⑵贈与の種類
①死因贈与・・贈与者が死亡して効力が発生する贈与である。死因贈与は相続税の課税対象である
②定期贈与・・定期的な給与を目的とする贈与である
③負担付贈与・・財産の像著を受けた者が第三者に対して一定の債務を支払うことを条件にした財産の贈与である
⑶贈与税の課税対象
贈与者 | 受贈者 | 課税関係 |
個人 | 個人 | 贈与税 |
法人 | 個人 | 所得税 |
法人 | 法人 | 法人税 |
個人 | 法人 | 法人税 |
■贈与税の計算
⑴暦年課税による贈与税の計算
課税対象期間:1月1日~12月31日までの1年間
課税価格 ー 配偶者控除額(最高2,000万円) ー 基礎控除額(110万円)
↓
控除後の課税価格 × 税率 ー 外国勢額控除額
↓
納付税額
⑵贈与税の課税財産の・非課税財産
①贈与税の課税財産
本来の贈与により取得した財産と、みなし贈与による財産
贈与財産の種類 | 内容 | 例 |
本来の贈与財産 | 贈与により取得した、金銭で見積もることができる経済的価値のあるすべての財産をいう | 現金、預貯金、有価証券、土地、家屋、貴金属・宝石、書が・骨董品 |
みなし贈与財産 | 贈形式的には民法上の贈与に該当しないが、実質的には贈与と同じ経済効果があると考えられるものも、贈与とみなして贈与税が課税される。 | 自身で保険料を負担せず取得する保険金、自身で掛け金を負担せず取得する定期金・年金等 |
②贈与税の非課税財産
(例)扶養義務者相互間の生活費、教育費、その他
⑶贈与税の配偶者控除
配偶者から居住用不動産または居住用不動産の購入資金を贈与された場合に贈与税の課税価格から最高2,000万円を控除できる制度
①適用条件
・贈与時において婚姻期間20年以上の配偶者間の贈与であること
・居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭贈与であること
他
②適用除外
同一配偶者間においては1度しか適用できない
③本制度の留意点
本制度は、贈与を受けた居住用不動産の価額が2,000万円未満で控除しきれない金額が生じた場合でも、他の贈与財産の価額から控除したり、そのしきれない金額を翌年以降に繰り越しして控除することはできない。また、贈与の日から3年以内に贈与した配偶者が死亡し、本制度の適用を受けた者が財産を相談した場合、相続開始前3年以内の生前贈与加算については、本制度による控除額以外の部分が加算される。
⑷基礎控除額
110万円が控除される。
1年間に贈与された財産の合計額が110万円以下であれば、贈与額は課税されない。
⑸税率
①一般贈与財産の税率
基礎控除額の 課税価格 |
税率 | 控除額 | 基礎控除後の 課税価格 |
税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | ー | 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
300万円以下 | 15% | 10万円 | 1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 | 3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 | 3,000万円超 | 55% | 400万円 |
②特例贈与財産の税率
基礎控除額の 課税価格 |
税率 | 控除額 | 基礎控除後の 課税価格 |
税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | ー | 1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
400万円以下 | 15% | 10万円 | 3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 | 4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
1000万円以下 | 30% | 90万円 | 4,500万円超 | 55% | 640万円 |
⑹外国勢額控除額
4贈与税の申告
5贈与税の納付
6相続時精算課税制度
⑴概要
⑵適用対象者
贈与者については贈与都市の1月1日において60歳以上の親または祖父母、受贈者については贈与者の推定相続人である贈与年の1月1日において20歳以上の子(代襲相続人を含む)または同日において20歳以上の孫である。
⑶特別控除額
贈与者ごとに2,500万円まで(複数年の贈与については、累計額が2,500万円に達するまで)は贈与税が課税されない。
⑷適用手続
⑸贈与税額の計算
特別控除額を超えた部分の金額については、一律20%の税率を乗じて贈与税額を計算する
税額=(課税価格 - 2,500万円特別控除額)× 20%
⑹相続税額の計算
相続税額から控除できない贈与税額があるときは、還付をうけることができる。また、相続財産に合算する贈与財産の価額は贈与時の価額によることとされている。
7住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度額
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10%の方が得な場合もあるんとちゃうの?
主な適用要件
住宅取得等の場合
床面積が50㎡以上240㎡以下であること
経過年数が新築または築年数が20年以内であること
※一定の耐火建築物の場合は25年以内でも可能
※新耐震基準を満たす中古住宅には、経過年数要件はない
住宅の増改築
増改築後50㎡以上240㎡以下であること
工事費用が100万円以上であること
8住宅取得等資金贈与に係る相続時精算課税制度の特例
主な適用要件
住宅取得等の場合
床面積が50㎡以上であること
経過年数が新築または築年数が20年以内であること
※一定の耐火建築物の場合は25年以内でも可能
※新耐震基準を満たす中古住宅には、経過年数要件はない
住宅の増改築
増改築後50㎡以上であること
工事費用が100万円以上であること
9教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税
非課税拠出額・・・1,500万円
10結婚・子育て資金の一括贈与
結婚に際して支払う以下の金銭(300万円を限度)
挙式費用、衣装代等の婚礼費用、家賃等の新居費用、転居費用
妊娠、出産および育児に要する以下の金銭
不妊治療、妊婦検診に関する費用、分娩費用、産後ケアに要する費用、子の医療費、幼稚園、保育所等の保育料
第7章 相続財産の評価
1宅地、宅地上の権利の評価
⑴宅地の評価単位
利用の単位となっている1区画の宅地ごとに評価する
⑵宅地の評価方式
①路線価方式
※路線価・・・道路に面している標準的な宅地の1㎡あたりの千円単位の価額をいう
※自用地評価額・・・他人が土地を利用する権利がない土地の価格をいう
※貸宅地・・・借地権など宅地の上に存する権利の目的となっている宅地をいう
※使用貸借・・・当事者の一方が無償で使用および収益をした後に返還することを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる契約をいう
②倍率方式
⑶宅地の上にある権利
①一般の普通借地権および貸宅地の評価
借地権の評価額=自用地評価額×借地権割合
貸宅地の評価額=自用地評価額×(1-借地権割合)
※使用貸借で貸し付けられている宅地の場合
・使用貸借に係る宅地の権利において借地権は発生しない
・使用貸借に係る宅地は自用地評価額で評価する
②貸家建付地の評価
貸家建付地の評価=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
2小規模宅地等の評価額の特例(措法69条の4)
⑴特定居住用宅地等
被相続人の配偶者や被相続人と同居していた親族が、自宅を相続により取得し、相続税の申告期限まで保有継続し、かつ居住継続した場合には、その敷地のように供されている土地等(特定居住用宅地等)について一定の要件のもと330㎡までの部分は、相続税評価額を80%減額することができる。なお、配偶者がそうぞコウいsた場合は、保有継続および居住継続は不要であり、相続後に売却や賃貸をしても特例の適用が受けられる。
⑵特定事業用宅地等
相続開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等で、被相続人または被相続人と生計同一であった親族が被相続人等の営んでいた事業を引継ぎ、相続税の申告期限まで保有継続し、かつ事業継続した場合には、その宅地の400㎡までの部分について、祖の相続税評価額を80%減額することができる。ただし、賃貸マンションや貸しビルなどの不動産貸付業に供されている土地や駐車場等に供されている土地は、特定事業用宅地等には含まれない。
⑶特定同族会社事業用宅地等
⑷貸付事業用宅地等
その宅地の200㎡までの部分については、その評価の50%減額することができる。
3家屋の評価
自用家屋・・・固定資産税評価額×1.0
貸付用家屋・・・固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
4上場株式の評価(次のうち最も低い価額で評価する)
①課税時期の終値
②課税時期の属する月の毎日の終値の平均額
③課税時期の属する月の毎月の毎日の終値の平均額
④課税時期の属する月の前々月の毎日の終値の平均額
第8章 取引相場のない株式と事業継承
1株式会社の事業継承
2自社株評価の概要
⑴評価方式の種類
⑵評価方式の概要
原則的評価方式・・・類似業種比準方式、純資産価額方式、その二つを併用方式
特例的評価方式・・・配当還元方式
※業種、財務内容、株主構成、株式の保有状況により評価方式は変わる
3自社株に係る評価方式
⑴類似業種比準方式・・・その会社の事業内容と類似する上場会社の株価を基にして、比準要素を使って評価会社の株価を評価しようとする方式
⑵純資産価額方式・・・評価会社を課税時期に解散して財産を処分し生産したと仮定した場合において、株主に帰属する価値がいくらになるか、いくらの払い戻しがあるかを算出し、これおを株価の評価額とするもの
⑶配当還元方式・・・同族株主等以外の株主が取得した株式の評価方式
4特定会社等の評価
第9章 相続対策
1相続対策
⑴遺産分割対策・・・遺言書の活用、生前贈与による対策、財産の組換え
⑵納税対策資金・・・金融財産の計画的贈与、生命保険の活用、物納の事前準備
⑶節税対策・・・生前贈与、贈与税の配偶者控除の活用、貸家建付地の利用
2生前贈与について
⑴生前贈与のメリットとデメリット
メリット
・孫への贈与は、相続を1回飛ばすことになり、結果として、相続税の課税を1回減らすことになる
・生前贈与した財産は、その後相続税評価額が上昇しても、その上昇額相続財産の評価に影響しない
・本人の意思で、確実に目的財産を移転させることができる
デメリット
・1回または2回といった回数の贈与では効果が出にくく、通常、数年から十数年かけて贈与を行うなどの中・長期的視野が必要になる
・多額の贈与は、贈与税の累進度合が高いことから、通常、贈与税の負担率は相続税の負担率よりも高くなってしまう
・相続税は相続開始前3年以内に行われた贈与について生前贈与加算という規定があるため、結果として相続税対策とならない場合も生じる
⑵生前贈与による相続対策
①生前贈与の対象者
生前贈与は、孫や相続人の配偶者など相続人以外にも相続財産を移転することも可能となる。生前贈与できる対象者(受贈者)が多ければ多いほど贈与による相続対策は有効となる。
②生前贈与の対策期間の検討
生前贈与の対象期間は長期であればあるほど相続対策としてゆうこうになる。一度に多額の贈与を行うと、高額の贈与税が課税されることになるため贈与する期間は長いほうがよい。
③税法上の非課税制度等の活用
(a)贈与税の配偶者控除の活用
居住用不動産等を配偶者に贈与しておくことで、将来相続が発生しても、贈与した財産については原則として相続財産に含まれないので、相続税の課税価格を減少させることができる。
(b)相続時精算課税制度の活用
相続財産に加算する生前贈与財産の価額は、贈与時の時価による。よって、時価の上昇が予想される資産の贈与などにより、相続税の課税価格を現象させることができる場合などがある。
④生前贈与する財産の選択
(a)将来評価額が上昇しそうな財産から贈与する
将来、評価額上昇が予想される財産については、早期に贈与しておくほうが有利となる
(b)財産の評価額を引き下げてから贈与する
土地は、更地よりアパート等を建築してから贈与すると、貸家建付地として評価となり更地より評価額が下がる。同族会社株式は、評価額が下がっている時期に贈与するか、または評価額を下げる対策の実施後に贈与するほうが有利である。
(c)財産評価額の低い財産を贈与する
時価が同じ二つの財産のうちいずれかを贈与したいと考える場合、評価額が低い財産を贈与したほうが有利である。
(d)贈与を繰り返す場合、金融資産の贈与が実行しやすい
不動産等の贈与には登記費用等のコストがかかるので、少額の贈与を繰り返すのは得策とはいえない。しかし、現金であれば、1円単位、株式なら1株単位で贈与できるので贈与しやすいというメリットがある。
3納税資金対策
⑴生命保険金等
生命保険金等を相続人が受け取った場合は、非課税限度額(500万円×法定相続人の数)の適用を受けることができる。この非課税限度額を活用し納税資金を確保できる。
⑵死亡退職金等
みなし相続財産である死亡退職金等についても、生命保険金等と同様に非課税限度額(500万円×法定相続人の数)が設けられている。これを活用することで、課税後の手取り額を増やし納税資金とする。また、業務上の死亡に対しては、被相続人の普通給与の3年分(業務外の死亡による場合は、普通給与の半年分)の金額まで相続税が非課税となる弔慰金の活用も検討の余地がある。
⑶贈与からの生命保険活用
暦年贈与を活用し親から子へ贈与した現金を源資として、子=契約者=受取人、被保険者を親とする生命保険契約を締結することにより、子の受け取る保険金は所得税(一時所得)として課税されるが、税負担が相続税で課税されるよりも有利になるケースが多く、納税資金として活用することが可能である。
第10章 相続診断士とコンプライアンス
①相続診断士の活躍が望まれる業務
○相続人の特定
○財産の聞き取り
○相続に関する一般的な法律、税金等の情報提供
○エンディングノート作成補助、エンディングプラン作成補助
②専門家に相談することが望ましい業務
□任意後見契約・・・適法に受任できるものの、複雑な場合は橋渡しに徹するべき
□遺言の作成・・・公正証書遺言作成の証人になれる
③専門家に相談すべき業務
□遺産分割案の検討
□相続放棄の手続き
□相続税の申告・・・委任を受け戸籍謄本等の取得可
□不動産相続税登記等、財産の名義書き換え・・・不動産登記は、遺言執行者として一部業務が可能
◆相続診断チェックシートと相続診断結果シート